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決算推移の説明

プロ家庭教師の交通事故裁判陳述書の書き方

 会社の決算書の内容は第三者には非常にわかりにくいものです。

 その理由は

1、 業績のよいときは損金を増やし節税するため
2、 業績の悪いときは益出しして、決算内容をよく見せるため

 具体的には、「1」の場合

 社員の給与やボーナス、損金に参入できる保険、広告費や不動産賃料の前払い、配偶者など身内を社員扱いして報酬を支給する、などして損金を出すのが小企業ではよく行われています。

 「2」の場合

 利益の出ている株式や不動産などの決済を決算期をまたぐか、期内に決算するかで調整可能です。また、簿外となっている積立型の保険金を解約することでも利益を作ることができます。

 これらは、不当なものでなく、合法的に認められているものです。

 交通事故裁判では、交通事故の影響が数字に表れていることを証明しなければなりません。そのためには、そういった利益調整をされた数字でなく、実際の数字を証明する必要があります。

 

<陳述書原文>

 株式会社AAAAAの決算推移について

 株式会社AAAAAの決算推移で分かりにくい点がございますので説明させていただきます。下記の表は、AAAAAの決算推移です。この中で言及させていただきたい点が2つあります。

 

(千円)
決算期 売上高 売上総利益 営業利益 経常利益 営業外収益・損失
10期18.4〜19.3 134,746※注 67,369※注 前年比▲20%
9期17.4〜18.3 195,904 88,390 16,537 67,624 51,087
8期16.4〜17.3 262,345 127,178 17,376 21,397 4,020
7期15.4〜16.3 339,458 187,401 35,512 11,457 ▲24,054
6期14.4〜15.3 266,763 158,915 27,952 18,442 ▲9,510
5期13.4〜14.3 222,848 114,080 15,665 31,901 16,236
※注 10期は1月までの数字。マイナス20〜30%予想。

 @ 営業外収益・損失について

 表の営業外収益・損失は、損益計算書の営業外収益から営業外費用を差し引いた値になります。これは「仮払金(前渡金)の内訳書」に記載の通り、弊社では外国株式に流動資産を預け入れております。

 そのため、期末の株価や為替の変動によってその数字が大きく変わってくるのです。これは私の労働能力とは関係ないことでありますので、営業外収益が含まれた経常利益では労働能力と会社の数字の因果関係を見ることはできません。

 例えば、7期の途中で事故があったわけですが、6期の末から7期の前半にかけて私は通常に働いておりました。ですから、売上も総利益も増えています。ところが、営業外損失が大きかったため、経常利益は減ってしまっているのです。

 このようなことから私の労働能力を見る場合、営業外収益・費用を除いて考える必要があるといえるのです。

 A 売上総利益と営業利益について

 @の理由から、営業利益を参考にするという考えもあるでしょう。

 しかしながら、弊社のような個人事業レベルの会社では、売上が上がれば売上総利益が増え、その分税金も増えるわけで、何らかの節税を勧められます。もちろん、売上げを変えることはできません。そこで弊社では、決算賞与の支給、損金参入できる保険への加入、家賃など各種費用の支払い、などの方法で経費を支払うようにしておりました。

 正しく納税することは前提ですが、今回のケースのように私たち個人会社は「いつどうなるか」分かりません。子どもの将来なども考えながら、毎年「来期は大丈夫かなぁ」という不安を抱えながら、頑張っているわけです。ですから、利益が上がったときには「いかに残せるか」を考えてしまうのは必然ともいえます。

 具体的には、事故のあった7期では、事故前の時点で会社の業績が伸びていくことが予想できていたので、家庭教師に給与を支払う株式会社CCCCCへの費用を支払いを大きくすること、2つの会社とも決算賞与の支給などによって営業利益を調整していたのです。

 実際に7期の場合、総利益が1億8千万あったのですから、様々な費用を差し引いたとしても1億円程度の経常利益を計上することは充分に可能だったのです。

 このように、個人会社の場合、様々な費用を差し引いた営業利益では純粋な業績を表すことにはなりません。

 @Aから考えると、売上総利益が最も会社の状況を示しているといえます。私たち個人会社では、単純に売上が上がれば利益が上がる、そうすればあとはどうにでもやれると考えます。しかし、売上が上がらなければお金が入りません。そうなるとどうにもできなくなるのです。

 以上のことから、私の労働能力の低下は「売上総利益」を参考に考えていただきたく申し述べる次第です。