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業績と事故の関連性

プロ家庭教師の交通事故裁判陳述書の書き方

 ここが最も重要です。交通事故裁判の民事訴訟においては感情論的なことよりも、客観的な事実が優先されるからです。具体的な数字の根拠を説明することは、客観性を持たせるという意味で大切になります。

 また、裁判官も弁護士も業務の内容は理解できます。会社の業績は決算書を見れば分かります。しかし、決算書には表れにくいことが実際の仕事では存在します。そういったことをいかに分かりやすく文書に表現するか、ということがポイントになります。

<陳述書原文>

交通事故前の業績と交通事故後の業績
株式会社AAAAAの業績           (業務年度4月〜翌3月)
年度 13 14 15
売り上げ 196,072,541 222,848,150 266,763,788
粗利益 121,676,992 131,788,130 158,915,683
賞与 0 1,265,000 12,000,000
年度 16 17 18
売り上げ 339,458,912 262,345,203 195,904,976
粗利益 187,401,433 127,178,732 88,390,675
賞与 1,2670,000 5,619,000 5,116,075
(単位  円)

 株式会社AAAAAの場合、事故が起きた年までは業績は順調といえます。弊社のような成長期の会社の場合、成長カーブはある時点を境にして急上昇します。弊社もその予定で16年度売上4億円、16年度6億円、18年度には10億円を目標にやっていました。それを見越して15年前半には社員を5名採用しております。事故車への同乗者はそのうちの1人でした。その社員は事故後出社できなくなり、そのまま退職しました。また、他の社員も事故後、私が以前のように業務できなくなり、続けてやめて行きました。勢いのある会社は、勢いが魅力で入社してくるので、特に弊社のように社長である私が若く、自分が先頭に立って引っぱっていく形態だったので、その私が出社しなくなるともろにその影響が出たのです。

 アルバイトも同じです。自分で言うのもどうかと思いますが、アルバイトの子たちは私への憧れや魅力で給与以上の働きをしてくれたと思います。また、私も若い学生が好きだったので毎日飲みに連れて行ったりして、いろいろな話をして刺激をあたえていたと思っています。事故当時はそんな学生が残っていたので私がいない分、これまでの恩を返すつもりで頑張ってくれていましたが、学生の場合、就職活動や卒業でアルバイトを辞めていきます。そういった学生がいなくなり、私の身体的な問題で新しい学生を採用し、事故前のようなつき合い方をできなかったのが影響していると思われます。

 一見すると、事故が起きた16年度が最も業績がよく見えます。ただし、ここで認識しておいていただきたいのは家庭教師という業種では前年の実績で翌年の業績が決まるということです。家庭教師業の場合、前年の合格実績や評判で翌年の生徒募集の人数が決まります。また、広告の出向、人材の育成、募集など重要な業務は受験終了後の2月〜3月に集中します。また、教師の募集も新入生が入学する4月〜5月には90%が終わっているのです。さらに、入会した生徒は受験終了までは退会することは少なく、受験直前の11〜12月頃が指導時間数がピークになるという性格があります。

 つまり、16年度は事故が起きた7月までの間にその年の業績は決まっていたのです。本来であれば、翌年度以降のために16年度の後半は人材の育成、既存客への対応、受験指導、広告戦略の構築、などを行うべきでしたが、それが事故後の体調不良から十分に行えなかったのが、翌年の業績に影響しています。

 業績が徐々に落ち込んでいるのは、生徒は受験まで辞めないという性格上、16年度の受験終了時点で6年生は指導終了しますが、その時点で入会している4・5年生はやはり6年生の中学入試終了までは辞めないためです。そのため、新規入会者が減っても業績自体は緩やかに低下するという数字が出るのです。