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保険会社との交渉

プロ家庭教師の交通事故裁判陳述書の書き方

ここからが本番である。

 前述の通り、肝に銘じておいて欲しいのは、損害保険会社の担当者は「支払う保険金額をできるだけ少なくする」ことを考えているということである。彼らはそれによって社内で評価され、昇進・昇給しているのだ。昨今、新聞などでも保険会社の出し渋りが問題になっているが、保険金額を出し渋った人間が社内で表彰されたりしているのである。それはそれで、おかしな話だのだが、この場ではそれを論じても仕方ないので、損害保険会社の担当者の立場を確認するに留める。

 さて、「症状固定」となると、いよいよ損害保険会社の担当者と会うことになる。そこで必「休業損害証明書」「休業損害代位請求書」「前年度の所得証明」などの必要書類を提出し、損害保険会社からの回答を待つこととなる。

 私の場合は、1週間ほどして連絡があったと記憶している。保険会社側が提示してきた金額は、150万ほど。正直言って驚いた。なぜなら事故当時、助手席に座っていた社員がすでに示談を成立させており、その金額が300万を超えていたからである。

 後遺障害の認定までされているのにもかかわらず、私の示談金額がそこまで低い理由は私が経営者であったため、休業損害が認められないことであった。確かに、自分の会社であったため、休んでも休まなくても一定の給与を出していたのは事実である。実際、通院の途中で後々の保険会社との交渉を考え、自分に対する給与の支給を止めることも考えたが下手な小細工はするべきでない、と考えたのである。

 今考えると、もっとやりようがあったのかも知れないが、その時はそこまで考えていなかった。

 そこで保険会社の担当者に「現実問題として仕事ができる状態でなかったのだから、休業損害を認めて欲しい」と申し出た。

翌日、回答があった。「示談金を100万上乗せして250万ならどうでしょうか」

 「ちなみに、100万の根拠はどういうことでしょうか?」

 「あなたの労働能力を金額にすると1ヶ月30万が妥当だとし、その100日分として算出しました。」

 これには、さすがに「カチン」ときた。

 なぜなら私の前年度の年収は5000万だったからである。

 さすがに、そのすべてが労働報酬ではないにしても、月収400万を超える私が30万として計算されるのは理不尽な話である。

 しかも、私の大学時代の友人には相手方である損害保険会社に就職したものが数名いる。彼らの年収は1000万を超えているのだ。

 「30万はちょっとおかしくないですか?」

 「申し訳ありませんが、当社では妥当な金額と考えています。それでも納得いただけないのであれば、裁判ということになりますが。」

 「ブチッ」

 「分かりました。では、そのようにさせてもらいます。」

 こうして、訴訟に突入していくのだった。