事故の発生
最高気温が30度を超える真夏日が続いていた。2003年7月15日。この日も日中の気温は30度を超えた。肌にまとわりつくような熱を帯びた空気が東京全体を覆っていた。
事故の原因も元はといえばこの熱さであったかもしれない。
仕事の移動で車にいた私はエアコンを最大にしていたが、それでも頭が「ボーっ」とするほどの暑さを感じながら運転していた。
午後2時ごろ、国道246号線の三軒茶屋を過ぎた辺りであった。私は助手席に座っていた社員の杉本真理に仕事のアドバイスをしながら交差点の赤信号で止まった。
ふとバックミラーに目をやると後ろにトラックが見えた。
「えっ!」
その瞬間、ものすごい衝撃が襲った。
一瞬、何が起こったか分からなくなったが、我に返り事故を悟った。
隣で杉本が首を押さえている。
「大丈夫か?」
「はい。大丈夫です。社長は?」
「オレは大丈夫。」
振り返るとリヤウィンドウは粉々になっていた。

新車なのに・・・。乗っていた日産エルグランドは1ヶ月前に納車された新車であった。
割れた窓から後ろを見ると、トラックの運転手の顔が固まっている。
車を降りて近づいていくと、運転手は「すみません、すみません。」と繰り返した。
幸い事故は3車線の一番左のレーンだったため、後続の車の妨げにはなっていない。
運転手は動揺していて埒が明かない状態のため、自分で110番した。
119番にしなかったのは、怪我がなかったからである。
助手席の杉本も首の痛さを多少訴えてはいたが、救急車を呼ぶほどではなさそうだった。
しばらくしてパトカーが到着し、現場検証が行われた。
事故車はレッカーで運ばれていったため、我々はタクシーで帰路についた。